こちらが作品タイトル。夏の夜に広がる鮮やかな記憶、という意味合いで「夏彩(なついろ)」です。どうですか、めっちゃ中二病的でエモいでしょ!(自画自賛)

8月22日(土)からはじまるHANABI展!作品の発送が終わったので改めて、展示作品の制作風景をお届けします。

テーマは、花火と思い出

自分の中で、花火は現在進行形ではなく、刹那の記憶というイメージがしっくりきます。色々な花火シーンを想像して構想を考えていました。花火って夏の風物詩で毎年毎年シーズンがやってくる。でも、繰り返すのに「飽きる」ことが無い気がする。それは、どの夏もどの花火も、同じものを繰り返しているではなく、一回一回が唯一になるからなのではなかろうか。

そんな考えから、一瞬で儚く消えていく美しい思い出の中にある花火のワンシーンを描きました。

浴衣姿の男の子。「わたし(主観)」は男でも女でもよくて、「大切な誰か」と花火を見にでかけます。ヒトゴミというよりは、少し離れた場所。遠い空で花火が打ちあがり、そのかすかな花火の光が目の前の相手を彩る瞬間。きっと、次の夏に同じシーンを見ることはない。そう思うのではないでしょうか。もしも同じ相手と同じように花火を見上げたとしても、関係性は変わっているでしょう。

今この瞬間は互いの人生で唯一。刹那の記憶となるさまを描きました。気持ちが先走って伝えたいことが伝わらない(笑)シンプルに言えば、好きな人と花火を見るシチュエーションです。

制作風景をご覧ください

下絵の状態では、もう少し「男」雰囲気を出せていたと思います‥。普通の男の子、と思って描き始めたのです…。誰の記憶にもありそうなモブ男子みたいな…

ベースの色をのせる間も「普通の男子」と思っていました。普通の男子が浴衣着るかな?とは思いましたが…ちなみに、背景は絵墨の青系、そのほかは透明水彩。

EXITじゃない?て思っちゃう瞬間ですね。はい。浴衣がちょっとギャル男っぽくなっちゃって、さらに髪の毛に花火のピンク色の反射をいれたいとおもったんですが、ファンタジックなベースになり、この時点では「全然イメージどおりに塗れない。これは没」と思ったものです。

2~3日くらい悩みながら少しずつ色を入れていったら、わりと軌道修正ができたような気がしました。とにかく「暗さ(夜の)」と「明るさ(花火の色彩)」をうまいこと組み合わせようと頑張りました。そしてFINTECでキラキラした色を入れて飾りました。


そして、この背景の意味不明のちょっと立体になってる部分なんですけどもね‥
お迎えいただいた方だけが楽しめる仕掛けがあるんですよーーーーーーーーーーーーー

蓄光塗料をいれているので、光を吸収したあとに消灯すると光ります‥

うちあがった花火に照らされたあと、消えていくときの切なさを表現したよ‥‥!ここが光ると、暗闇でもかすかに男の子の顔が見えるんです。塗料なんで永久に光るわけではく、おそらく数か月しかもたないとは思うのですが… もしもお嫁にいったら主さまに楽しんでいただきたいなーと思っております。ぜひご検討くださいませ。

あとは今回、ポストカードとか用意できなかったので…物販は小さい原画なんですが、長くなったのでまた別途お届けします。

「HANABI展」@Boji hair+gallery(地下)

【期間】2020年8月22日(土)~9月3日(木)
【場所】Boji hair+gallery

〒150-0011 東京都渋谷区 東2丁目18−6松岡ビル201