7月20日(土)からはじまる「制服男子耽美展」の制作風景をお届けしていきます。なんと申しましょうか、やはりアナログでの作品づくりはその工程を如実にお届できるのが楽しいところですね。

前回はイメージが一定しないままに手探りで描いたところがあるのですが、前回の経験を生かして、今回はかなり完成イメージを明確にしてのぞんだので、満足度が高いです。

離れることのできない命

今回の制服男子は双子の男子高生をモデルにしています。モデルというか、私が2017年後半からこっそり水面下であたためて描いていた一次創作…(いわゆる)創作BLです。こちらの記事でも、自分は自分にしかなれないという話を書きました。そうなんです。ちょっとした別名義で描いていたものを、イラストレーターであるmamというひとつの人格に融合させてひとつになろうと思いました。(笑)中二病じみている…!

改めて簡単に概要を説明いたしますと、ひとことで言えば「互いに惹かれあう双子の男子高生」です。兄弟や双子、血縁者で同性なんてタブーが詰まっているので受け付けない方も多いだろうことは理解しております。当初はかなり軽薄に(笑)性的な展開にしていたのですが、ストーリーを詰めていくうちに精神的なつながりをもっと求めていこうというかんじに現状なっています。一卵性双生児の彼らは互いを「個人」と認識しながらも、離れることや他を互い以上に受け入れることができないでいる。運命に縛られる姿は、常人から見れば違和感があるかもしれませんが、それがまたある意味での「耽美」。…さぁ、描けるか?

そんな彼らを展示作品として描くべく、筆をとりました。
※こちらがメインストーリーになります。R18表現ございますので、閲覧は自己責任でお願いします。

制作風景~アクリルと絵墨の共演

そんなわけで、まずは小さめのS4サイズキャンバスを用意しました。2枚にひとりずつ描いてペアにしようと思いました。こちらは下書き~

ほとんど構想メモなどなしでいきなり線を入れました。というのも、今回は、下書き~ジェッソ~アクリル(彩色)という段階でやろうと決めていて、もし下書きで多少間違ってもジェッソで厚塗りしてなんとかなると思っていたところある(笑)

大胆にジェッソ塗りたくりました。(これは乾かしてるところ)

ジェッソ乾いたところで、まずはアクリルで肌色を乗せていきます。前回、肌色でかなり悩んだのですが、今回はピンクをメインに(迷いなく!)したら、割と出したい色に近づけたかな…

そして!今回は肌以外は絵墨にしています。これも前回色味で本当に悩んで反省しました。色数を増やすとどうしてもまとまりがなくなるんですよね。できれば同じトーンの色合いでまとめ上げたいと思っていたので、そこで考えたのが、慣れ親しんだ(超~~お気に入りの画材)絵墨。もともとモノクロとか抑えた色味で塗るのが好きなので、塗りながら「そうそうこれこれ!」と思いました(笑)

髪も、瞳も、アイラインも、ほんのり色味が異なる絵墨。兄・颯太(そうた)は青ベースの墨。

こちらは弟。紫ベース。

本来ならこの子たち「同じ色」をもつ双子だったり、設定では茶色が強い髪なんですが今回は雰囲気重視。こういう「融通の利く」塗りがしたかった、のである。

仕上げには金色の顔彩で星を降らせています。

SNSなんかでアイコンにしているので見えちゃってますが(笑)制作風景はここまでにしておきます。完成版をぜひ、ギャラリーへ見にいらしてください!キャンバス原画は販売もいたしますので、お気に召しましたらぜひお迎えいただけると嬉しいです。

「制服男子耽美展」@Nano Gallery

【期間】2019年7月20日(土)~7月28日(日) 14:00~19:00
【場所】Nano Gallery