東幹久さんの「セクハラ防止啓発ポスター」が朝のワイドショーで話題になっていた。

ツイッターでもソコソコ話題になっていたと思う。

我が夫も人の上に立つ立場であり「女性部下と話すときはすごく慎重になってる」と言っていたので、世間は大変だなと思った。いやいや、私も会社員ですしね、新卒で事務職をしていたころは確かに、セクハラというか「いやだな」と思ったこともないわけではなかったのでセクハラに関しては一応当事者にはあたるわけだ、女性だし。

セクハラってなんだろう

法律事務所さんのホームページにこんな記述がありました。

セクハラは、「性的」な「(相手が)嫌がる行為」と定義すればわかりやすいと思います。

そうですよね。この説明でピンときますよね。「相手」が判断することなんですよね~。つまり過敏な人もいれば平気な人もいるから難しい問題。痴漢であれば意図的にボディタッチをすればもうそれでNGだって目でみてわかるけれど、セクハラは受ける側が判断することだから、OKとNGの境界線が人に寄って違うのだ…すっごい難しいなぁ!エスパーで人の心が読めない限り、完全に防ぐことができない…。

あなただったらどう思う?OK/NG例

あくまで私の感覚なんですけども、例を挙げてみました。賛否両論あるかと思います。

「恋人とはうまくいってる?結婚予定あったら教えてよ」
⇒OK

プライベートを話したくないから嫌だって意見も多いとおもうんですが、上司だったらやっぱり結婚予定や出産を予定している部下にはハードワークを与えちゃいけないとか考える責任があるから、大人であればある程度はそういう共有をしてもいいと思う。ただし、その目的が「夜の生活どうなの?」的なやらしい意図があるならNG。

「君は女性なんだからお茶いれて」
⇒NG

男尊女卑感ある。「女性だから」という、女性性に責任を与えるのはセクハラだと思う。私は男女平等をそれほど強く訴える気持はないけど、女性だって男性だって、お客様にお茶をいれていいと思う。むしろ「受付嬢」に男性がいてもいいとさえ思います。性別ではなくスキルで判断すべき?

「君は女性なのに色気がないな」
⇒NG

エロい身体してるな~っていうのとまったく同じ。これも「女性」だから色気があって当たり前、そういう存在だっていうレッテルを感じる。

「化粧品変えた?すごく綺麗に見えるよ~いいね~」
⇒OK

褒められたのになぜNGなのか謎。似合うメイクが見つかったのだから私ならハイタッチをしたい。ただし、ここで「俺、そういうメイク好きなんだよね~」とか「でもスッピンは彼氏に見せられないね~」とかいうどうでもいい意見を出してきたらNG。褒めるときは主観ではなく「一般的に誰から見ても」そうである、という言い方をするのが肝ではなかろうか。

みなさんはいかがでしょうか。

大前提として、信頼関係がない間柄ならNG

これは世間のえらい立場のみなさんに伝えたいところなんですが、受け取る側が判断するということはすなわち、普段からの信頼関係があるかどうかってことだと思います。

心を開いている上司にならちょっと呑みの席で下ネタ吐かれても「呑みすぎじゃないですかww」ですむってことありませんか?普段から苦手(例えば自慢が多いとか理不尽に叱りつけるとか)な上司だったらどんなほめ方をされても嫌な気分になると思う。苦手な上司に「今日かわいいね」って言われたら「ハァ?普段はかわいくないってことですか?ってかそんな見た目をいつもチェックしてるとかキモイんですけど!!」て気持ちを心の中にしまって「ありがとうございます(微笑)」てなるけど、

信頼している上司に「今日かわいいね」って言われたら「ほんとですか?やったー♪仕事がんばりまーす」ってなると思う。私が単純思考なんだろうか(笑)そのくらいの落差があるからセクハラ(だと疑われてしまう男性からしてみれば)怖い話ですよね。

たしかに深刻なセクハラってあると思う

例に挙げたものは本当に敏感な人が騒ぐ程度のネタかなとも思うんですけれども、実際に深刻なセクハラ問題は存在すると思う。

・女性は上司の正面に座ってお酒をつぐのがルール 
・容姿がいいからと得意先訪問にお飾りとして連れていかれる
・女はこれでもやってろとばかりに単純作業を延々させられる
・俺が稼いでやってるんだからと偉ぶる亭主関白な旦那様

こういうのって、わりと昭和時代には普通にありましたしまだ一部では根強く存在する価値観であり文化だと思います。こういうのをなんとかしたいですよねー。はっきり言って、信頼関係が浅い職場でのあれこれなんて、温度感の差から生まれてしまうミスディレクションみたいなことも多いと思うので、「セクハラ」という言葉が独り歩きしてなんでもかんでもセクハラ認定するのはいくないなーと思います。だって受け手が勝手に騒いでも成立しちゃうんだから。

そして訴えるくらいなら「すみません、それ、私は苦手なので」と伝えるのも必要だと思う。偉い人だからなにも言えなかったり、他の人に迷惑をかけるからって我慢していたりするんだろうけど…。こうやってセクハラ問題が物議を醸し出しているのだから、今まで気が付かなかった年配の男性たちも徐々に気づいていくでしょう。それでも「俺には関係ないね!」て平気で暴言吐く輩がいたら成敗されていいと思います。

そう言う意味では、あのポスターが取り上げられて騒がれ話題になるってことは、成功なんですよね。炎上商法みたいだけど(笑)こうしてセクハラについて考える機会が増えていくのはよいと思います。

結局セクハラ防止啓発ポスターはいいのかわるいのか

あのポスターは良くも悪くもないと思います。まぁ「今までセクハラについて考えたことがない年配のやらかし男性」に、「そんなこともセクハラっていわれるの?」という危機感を与えるためには有効ではなかろうか。だってほら、世代としてはトレンディ俳優(!)として一世を風靡した東さんでさえNGとなる場合もあるってことですからね。

女性が見たら「???」な部分が多いと思います。ターゲットを「そういう男性」向けだと考えてうけとめるのがちょうどいいかと思います。あのポスターはおかしい!!と感じている女性のみなさま、いかがでしょうか。インパクトはありますので社会的影響は大きいと思います。

ちなみに私がポスターつくったらこんなかんじ

伝えたいのは「人に寄って違うから無神経なことは言わないようにしようね」ってところかと思う。男女関係ない全般ターゲットならそうだと思う。

男性には「そうか、何気なく言っても傷つけてしまうこともあるのか」と気づかせたいし
女性には「同じことを言われても、嫌じゃない人もいるんだ」って気づかせたい。

どちらにせよね、自分の主観が誰しもの総意だと思い込んでしまったらいけないと私は思います。私の意見だってあくまで一人の意見ですから、いろいろな意見があって当たり前だと思います。

論ずるきっかけになって、職場なんかでも立場関係なくそういう話し合いができると一番いいですよね。